クール便でも大丈夫？
油や水に強い！食品パッケージの加工のヒミツ

こんにちは、株式会社フヂヤのハコとデザイン研究所にようこそ。
先日、アイスクリームを通販で頼んだのですが、溶けやしないかとヒヤヒヤしていた小心者の研究員です。

以前の記事「 オリジナル印刷で制作する、段ボール製ピザ箱のご紹介 」でご紹介したようにフヂヤでは食品向けのパッケージも多く手がけております。
食品パッケージには、実は目に見えない工夫や加工が施されているのをご存知でしょうか？
今回は、食品用パッケージにまつわる加工についてお話ししたいと思います。

こちらは通販で使用する要冷凍の食品パッケージで、板紙と段ボールの貼合品となります。

「ただの箱やないかい！」

とお声が聞こえてきそうですが、ごもっとも。
まさしく「目に見えない工夫」なのでございます!!
（苦し紛れ…）

このパッケージは、
内側の段ボールには撥水性を持つ機能紙「アクアドット」を使用、
外側の板紙には耐水・耐油の加工「ハービル」加工が施されています。

機能紙「アクアドット」とは？

「アクアドット」とは、表面に撥水加工を施した機能紙の一つです。
撥水効果がありますので、冷凍品の発送など結露による水濡れの予防対策などに使用されています。

このパッケージは、段ボールのライナーに
アクアドットを使用しています。

ハービル加工とは？

食品パッケージなどに耐水性・耐油性を付与することができるコーティング加工です。
ハービル加工を施すことで、食品衛生法にも適合した食品接触が可能な紙製パッケージを作ることが可能になります。

完全な水性ニスなので残留溶剤の心配もなく、また、紙にハービル加工を施してもリサイクルのしやすさに影響が無いため、環境に優しい加工だと言えます。

食品から出る水分や油分の影響でパッケージの強度が弱まることがありますが、ハービル加工を施すことで食品の油分や水分の染み込みを抑制するため、パッケージの変形を防ぐことに役立っています。
また、油分水分の染込みによる汚れも予防できるので、衛生的なイメージにも繋がります。

表側の板紙には、ハービル加工が施されています。
人体に安全で、環境にも優しい耐油・耐水加工なんです。

ちょっと待ってよ！
食品が入る内側だけの加工でいいんじゃないの？

なぜ内側だけでは無く、外側にもに加工をしているのでしょうか？

キーワードは「冷凍品の配送」。

紙も段ボールも水や湿気に弱いので、極端な話水にぬれてしまってはふにゃふにゃになってしまいます。
冷凍品の配送では、結露はつきもの。外側から水や湿気が襲ってくる可能性大なのです。

なので、冷凍品が入るパッケージなどは、紙の大敵「水」から商品を守るため、内側も外側もこのような撥水・耐水の加工を施しているのです。

なるほどー
両面に加工をするのは、ちゃんと理由があるんですね！

そのとおりなんです！
確かに付加価値のある加工ですが、付加価値はその分コストとして反映されてしまうので、私たち業者も必要最小限で無駄のない提案を常に心掛けているのです。
場合によっては内側だけ、または外側だけ、などケース バイ ケース（ハコ屋だけに!?）でご提案をしております。

今回は冷凍品に特化した食品向けパッケージのお話でしたが、奥の深いパッケージの世界、業種別に深い深いそれはディープなノウハウが隠されていることもしばしば。
パッケージのことでお困りの際は、ぜひ株式会社フヂヤにご相談ください。

※同業者様からのお問い合わせにつきましては、お応えできない場合がございます。

  関連記事